【整えるという選択 #2】身体はずっと、助けを求めていた|OWNER STORY
2025.04.06
「もっと体力をつけなきゃ」
毎日仕事に追われるなかで、私がそう思っていた時期がありました。
社会人として働く日々はとても忙しく、残業は当たり前。
時間は足りず、朝のほうが集中できるからと早く出勤することも、よくありました。
職場の人間関係はとても良好で、今でも連絡を取り合う大切な仲間たちですが
振り返れば、あの頃の私は——
完全に、自分の身体の声を無視していました。
私はある日、甲状腺の病気を患いました。
のちに学んだホルモン免疫栄養学では「ストレスだけが原因ではない」とも知るのですが、
当時は「年齢的に体力が落ちたせいかな」くらいに思っていました。
疲れが取れない、集中力が続かない、ミスが増える。
それがまたストレスになり、ますます自信をなくしていく——
今思えば、完全な悪循環のなかにいました。
でも私は、それを「気合いで乗り切れるもの」だと思い込んでいたんです。
趣味だったダンスに加えて、ジムにも通おうとしていました。
実際には、階段では手すりにつかまりたくなるし、
2階の部屋に忘れ物を取りに行くのすら面倒で諦めようとしていたのに。
ジムには通おうとするくせに、信号や電車に間に合うように走ることだけは避けていた。
今ならわかります。
身体はとっくに、悲鳴を上げていたんですよね。
ある年の会社の健康診断。
問診票の内容を見て、先生が「これはおかしい」とすぐに気づいてくれたんです。
検査の結果——
「道で倒れたら、自力で起き上がれないレベル」だと言われました。
その後わかったのは、実は1年前から身体はちゃんとサインを出してくれていたこと。
私はどれだけ、自分の身体を後回しにしてきたんだろう。
そう思わずにはいられませんでした。
“がんばること”に疑問を持ったことなんてなかった。
でもこの時、初めて思ったんです。
「私は、このまま“何か”を見失ったまま働き続けてしまうのかもしれない」と。
その“何か”が何なのかは、まだはっきりとは分かっていなかったけれど、
少しずつ、心の奥に潜めていた感覚が動き出そうとしているのを感じていたのかもしれません。
無理をきかせ続けていた日々。
そこでようやく、私は「本当の望み」と向き合う時間を持つことになります。
——次回は、そのきっかけになった“ある研修”のお話です。