【整えるという選択 #3】人生は、自分のしたいことのためにある|OWNER STORY
2025.04.06
心と身体のバランスが崩れ、病気をきっかけに立ち止まったあの頃。
少しずつ、自分の中で何かが動き出しているのを感じながらも、
結局は仕事に追われて、ある意味で充実した日々。
まだ「これからどうしたいのか」は、辿り着けてはいませんでした。
そんな時、会社で参加したワークライフバランスの研修が、
私にとって大きな転機となりました。
その研修では、今の働き方や人間関係を振り返りながら、
「どんな人とどう過ごし、未来はどう在りたいのか?」という問いに向き合う時間がありました。
私自身、職場に対する不満はまったくなくて、むしろ人に恵まれていた方だと思います。
でも——いざ「自分の未来」を考えたとき、そこで初めて静かに自分の内側に目が向きました。
「私は、これからどんな人生を歩みたいんだろう?」
「本当は、どんな自分でいたいと思っているんだろう?」
その問いに向き合ううちに、
忘れていたはずのあの感動が、静かによみがえってきました。
——社会人になってすぐ、初任給で訪れた海外旅行。
滞在先のホテルで受けた施術。
言葉ではなく“手”から伝わってくる安心感に、深く感動したあの瞬間。
「ああ、私……あの時、本気で“こういう仕事がしたい”って思ってたんだ」
何年も前に心の奥にしまい込んでいた想いが、はっきりと形を持って浮かび上がってきたんです。
そんなとき、私の背中をそっと押してくれたのが、尊敬する人の言葉でした。
「人生は自分のしたいことの為にあるんだと思う。
だからまだ何か出来ると思う人や時間のある人は、今のうちにうんと沢山の心の糧をつくっておくとよいと思う。
そうすれば、自分のその夢にきっと近づける」
さらに、私には忘れられない友人がいます。
若くしてこの世から旅立った、大切な存在。
彼女は、自分の「やりたいこと」をどれだけ叶えられたのだろう?
そう考えると、私はやっぱり——後悔しない人生を選びたいと思いました。
彼女の分まで生きるなんて簡単には言えないけれど、
いつか再会したときに、笑いながら怒られる気がするんです。
「ねぇ、ちゃんとやってたの?」
「もっとできたでしょ」って。
だから私は、決めました。
もう一度、セラピストの道を歩いてみよう。
今度こそ、本気でチャレンジしてみようと。
心から湧き上がった「この道で生きたい」という想い。
私はある“学びの場”へ向かって動き出します。
——次のSTORYでは、私がセラピストとして歩き始めた原点を綴ります。